DSCN9584NHK BS1「国際報道」をご覧いただき、メッセージもたくさんありがとうございました!

今回は、原発事故により帰宅困難地域に指定されてしまった双葉町の生徒さんが勉強する双葉中学校を訪問しました。双葉中は2年前からいわき市の仮設校舎にて授業を再開しています。震災前には200人を超える生徒が通っていましたが、他地域への引っ越し、学区の転入などがあり、現在は中学1、2年生7人が学んでいます。

まずは、シリアという国を身近に感じてもらおうということでアラブで一番人気のお菓子「バクラバ」の試食に挑戦してもらいました。「美味しい?」と聞いたら、最初の反応は「甘っ」という感想。そうなんだよね、ナッツをたっぷりパイ生地に焼き込んだバクラバはその上からご丁寧に砂糖シロップをかけてあり、歯も溶けるような甘さなんだよな。薔薇水がほんのりと香る。薔薇水(ローズウォター)を加えると、アラブ菓子度がぐっと上がる感じね。


DSCN9592前日までに先生から宿題として、「シリアって聞いて浮かぶイメージは?」という意見をまとめてもらっていたのだけれど、「貧しい」「危険」「砂漠の国」「戦争している国」「子どもが銃を持って闘っている国」という意見が大半。無理もない。TVで映るのはそういったイメージを補強するような映像ばかりだ。紛争前にダマスカスの郊外にドバイみたいな感じの大きいショッピングモールがあったり、映画を見たり、カフェに行ったりというのがごく普通だったということが大抵の人には知られていないから。
そんな普通の生活をしていたシリアの子ども達は今、「何もかも置いて家を離なれなければならなかった」「友だちと会えなくなる」「不便な避難生活で遊ぶところがない」などという大変さと直面している。


DSCN9599お話の中で、シリア国内や避難先のトルコに多く存在する「コミュニティ学校」の紹介させていただいた。シリアは元々とても教育熱心なお国柄で、紛争前の識字率は95%を超えていた。多くの子どもが大学や専門学校に進学した。そのため、例え避難先であっても、保護者の一番の気がかりは子ども達の教育だ。多くの学校が破壊されたりしたけれど、保護者がお金を出し合ったり、先生がボランティアとして働いたり、校長先生が奔走して支援者を捜したりして、何とか学校を継続させている。公的な援助に頼ることなく、アパートなどを借りたりして学校が運営されているケースも数多い。
そして、それは勉強ももちろん大事なんだけれども、子ども達にとっては、友だちとの支え合いが得られるところも多い。

これは、中学校再開まで転校を何度も余儀なくされたり、今もスクールバスでの通学などの不便さを超えて、頑張って勉強を続けている双葉の生徒さんの経験にもとても似ている。

そして、「帰りたいのに帰れない」という思い。シリアの子ども達も双葉の子ども達も同じだ。
今回の訪問をきっかけに、シリアの子ども達と双葉中の生徒さんとの交流に発展させたいなと考えている。次は、シリアの子ども達に双葉のお話を届けたい。

最後に、バクラバの差し入れを抱えて、ジュネーブまでボランティアに来てくれた麻衣子さん、ありがとう!子ども達の記憶に、あまーーいバクラバ、しっかり残こりましたよ!

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